HMA-9500

HMA-9500という48年前に発売された(MKⅡはその3年後)日立Lo-D製のアンプがあります。当時の価格で23万円でした。 オーディオ全盛の時代、物量を投じたアンプで価格は23万円でした。 Lo-Dの’79-10のテクニカルニュースには今ではオーディオマニア以外では聞くことがなくなった「原音忠実再生」という言葉が最初に書かれてあります。 パワーMOS-FETを採用し、アンプはB級動作が多かった時代に、スイッチングひずみの低減のために”ノン・カットオフ回路”を採用するなどかなりこだわった回路構成です。 また、電源の強化やモノラルアンプ構成、高品質部品の採用などまさにオーディオ黄金期の幕開けにふさわしいアンプでした。 各メーカーがこぞって商品開発をしていた時代でした。 私は20年ほど前にリサイクルショップのジャンクコーナーに置いてあったMKⅡを入手して、日立からサービスマニュアルを提供してもらい、オーバーホールをしました。 このアンプは回路の保護のためにヒューズ抵抗が多用されており、その部品の劣化により動作不良が生じ、このアンプの肝といえる”ノンカットオフバイアスモジュール”も道ずれになり使用不能になるケースが多かったようです。 私が入手したアンプもヒューズ抵抗不良、モジュール焼損という状態でした。 回路図がないと修理が厳しいので日立にメールを送るとサービス資料を送ってくれました。 コピーではなく赤鉛筆でチェックが入ったものだったので、現場で使われていたものでしょう。 個人使用なのでヒューズ抵抗は普通の抵抗に交換、コンデンサはすべて交換、トランジスタもほぼすべて交換して何とか音が出るようになりました。 このアンプは入出力のアースが10Ωと18Ωでシャーシに落としてありますが、FETのケースがソースになっていることから、FETと放熱器との間の容量で安定度が悪くなるためとのこと。 確かに基板には回路がプリントされていますが、安定度向上のためジャンパー線を追加している部分があります。 10年位前まではオークションでも15万円とかで取引されていました。 今は10万円以下でも手に入るようになってきたようですが。 音質に関しては主観がほとんどなのでコメントしませんが、所有欲を掻き立てられる良いアンプだと思います。 現在は手放しましたが、その代わりHMA-9500Ⅱもどきを製作中です。 若干発振がとれないので完成には至っていませんが。 詳細はホームページで。 HMA-9500Ⅱの修理 mj4018.lsv.jp/hma9500.html HMA-9500Ⅱのようなもの製作 mj4018.lsv.jp/9500modoki.html